前の投稿では"The Voice"という番組の日本版がないということを書いた。他にもオーディション番組は"Got Talent"というのもあるが、これも日本版がない。それには日本ではできない色々な事情があるのだろと思いつつ諦めていたら、実はあったのだ。"X Facter Okinawa Japan"というのが2014年あたりに存在していた。まあ、東京ではないところが微妙なのだが。
YouTubeで動画に辿り着いて観てみたら若いタレントがいたのである。その中で特に気になったのが山本卓司という当時20歳ぐらいの男性。最初のステージ(実際にはその前にもうひとつステージがある)でイーグルスの"Desperado"を歌って会場を沸かせた。会場だけでなく審査員も絶賛という結果。この番組では控え室の映像も挟み込むのだが、そこで出番を待っている女の子たちが「おっ」という反応を示したのが印象的だった。歌い出しの第一声で聴いている人を惹きつけるというのが良いヴォーカリストとして大事なことだと僕は思っているのだが、彼はまさにそれをやってのけたのである。結局彼は次の段階で不合格になるものの、他の不合格の参加者とユニットとして継続して挑戦し優勝した。そのユニットの中でも彼の歌が抜きん出ていたように僕は思った。
もう一人印象的だったのが甘露寺絢子、当時16歳。印象的な声と静かな存在感に惹きつけられた。声量はあまりないけれどヘナチョコではない。立派な存在感を持った素晴らしいヴォーカリストだと僕は思った。
素晴らしいからといってすぐにプロでブレークするというわけではないところが難しいところではある。商業ということになると売れる売れないというのが歌唱力とは別の話になる。しかし日本のポピュラー界のヴォーカリストもまだまだ希望が持てるなと思ったのだった。